歯科衛生士です。
最初に大事なお話ですが、歯石が大量に付いている方や、歯周病が進行して歯が揺れるなどの「重度」の状態や、重度糖尿病などの疾患をお持ちの方はセルフケアだけでは防げない事が多いので、歯科医院にて歯石をしっかり除去したり、定期的な管理が必要です。
原因
歯周病の原因は、全身疾患が関係していたり、喫煙などの生活習慣が関わっていたりと色々ありますが、最大の敵は「細菌」です。
この「細菌」をコントロールすることが一番の予防になります。
歯周病の進行している人は、本人の気づかない間に、口臭が悪臭となっている方も多いです。
口臭は徐々に強くなっていくので、本人は気づかない事が多いです。
もう一つ、重要な事ですが、
虫歯は痛みが出るので、痛みが出ればほとんどの人は歯医者に行くので、そう簡単には「抜く」までは行かない場合が多いですが、歯周病に関しては、初めは歯肉炎から始まり、重度になるまでの間、痛み無く進行していくので、「痛みが出た時」には「手遅れ=抜かなければならない」になる事もあります。
歯石
冒頭に書いた「歯石」ですが、歯石は無機質な物で、歯石自体には害はありません。
ですが、歯石がたくさん付着している状態だと、そこに歯垢(歯垢の7~8割は細菌で構成されています)が付着・停滞しやすくなります。
なので、まずは歯石を除去しないことには「歯周病予防」は始まりません。
そして「歯石」が付く原因は、食事をするたびに付く柔らかい汚れ「歯垢」が唾液(つば)の成分のカルシウムなどと結合して石のようになっていくものです。
この「歯垢」をしっかりと落とすことが出来ると、歯石は付きにくくなります。(=正しい歯磨きが出来ると歯石は付きにくくなります。)
歯周病の進行の最大の原因になるのは「細菌」ですが、これは、歯の表面に付着する歯垢に含まれる細菌よりも、歯と歯茎の間の溝にある歯肉溝・ポケットとなった部分に住み着いている細菌が悪さをします。
歯と歯茎の間の溝や、歯と歯の間の汚れをしっかりと落とす事で細菌の活動を抑えます。
これが歯周病予防になります。
3か月に1回、歯医者に通って歯石を取ってクリーニングをするだけでは予防になりません。
なぜなら、汚れは毎日、食事をするたびに付くからです。
毎日のセルフケアが一番重要になってきます。
歯ブラシ
歯ブラシをしっかり当てることが大切です。
しっかり当てるには、
・染め出しをしてみる(ドラッグストアでも売っています)
・鏡を見ながら当たっている場所を確認する
慣れれば毎日鏡を見る必要はありませんので、時々染め出しをしてチェックするだけで大丈夫です。
歯ブラシは斜め45度に当て、軽い力で小刻みにブラッシングをします。
当て方は、色んな方が色んな方法を言っていますが、一番分かりやすくて簡単にマスター出来る方法を書きます。
フロスと歯間ブラシ
歯周病が一番進行しやすい場所は「歯と歯の間」です。
この部分は歯ブラシが届かないので、歯間ブラシやフロスを使います。
フロスの使い方は、スライドさせながら挿入していきます。
気を付けたいのは、稀に詰め物に引っ掛けてしまい、詰め物が取れてしまう事があることです。
しかし、本来はフロスぐらいでは詰め物は取れないので、取れてしまった場合は「経年劣化」で、いつ取れてもおかしくない状態だった事が多いです。
歯間ブラシは、歯茎を刺してしまうと痛いので、刺さないように、歯茎に向けない方向に挿入していきます。
サイズや通し方が不安な場合は、一度歯医者で診てもらうか、一番細い物から使ってみます。
初めてフロスや歯間ブラシを通すと、出血することが多いです。
挿入時、痛かった時の出血は歯茎を傷つけた可能性が高いですが、痛みが無く出血した場合は、歯肉炎による出血の事がほとんどです。
普段からフロスや歯間ブラシを使っている人は、歯医者にクリーニングに来た時、出血する人がとても少ないです。
歯ブラシを正しく当てる
フロスや歯間ブラシを使う
歯石を溜めない
これを守るだけでも、かなり歯周病の進行は抑えられます。
一通りお口の中を綺麗にした後、特に就寝前に殺菌効果のあるデンタルリンスで口をゆすぐ事も効果的です。
なぜなら、寝ている間は、お口の中を綺麗に保つ効果のある「唾液」が減るために、細菌の活動が盛んになってしまうからです。
少しでもお口の中の細菌を減らすことで予防効果が高まります。
「殺菌効果のあるデンタルリンス」とは「歯周病予防」とか「虫歯予防」あるいは「殺菌」などと書かれていますので、それを基準に選ばれると良いです。
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