参考までに心室細動とは
不整脈の一種で、心臓が震える状態(痙攣)になり、ポンプ能力を失い、酸素が送られなくなります。
心停止の状態ですので、脳や肝臓・腎臓などの重要な臓器に酸素が行かなくなり、やがて心臓も停止します。
心室細動=心停止状態なので、2~3分以内に蘇生(AEDなどの除細動器を用いる)を行わないと、命に関わります。
蘇生が遅れれば遅れるほど、後遺症状や死亡の確立が上がり、10分では生存確率は20%ありません。
心室細動の前駆症状について
これは前駆症状がある場合と突然の場合があります。
運動中や、事故やキャッチボールなどで胸部に衝撃を受けた時には突然起こす事があります。
心室頻拍や心房細動から、心室細動に移行する事もあり、無症状の事もあれば、だるさや息苦しさ、階段の上り下りが辛くなるなどの症状が現れる場合もあるようです。
母の場合は前駆症状がありました
16年前に母を心室細動で亡くしました。(当時57歳)
その時の前駆症状について説明します。
ただ、すべての人に当てはまるわけではないので、参考までに。
持病として、高血圧症があり、塩分制限を医師から言われていましたが、本人は「美味しい物を我慢して長生きするより、美味しい物を食べたい」と言って、塩分制限をあまり気にせず、降圧剤もあまり飲んでいませんでした。
不整脈も指摘を受けていました。
大きな発作を起こす数日前から、本人が「風邪」だと思うような症状がありました。
夏だったので、扇風機に当たりながら寝ていたのがいけなかったのかも、と言っていましたが。
その症状とは、
おなかの辺りが冷たい感じがする
息がつまるような感じがする
胸の辺りが締め付けられるような感じがする
というような症状でした。
発作を起こす前日、実家に遊びに行き、母を鍾乳洞に連れて行こうと誘うつもりでしたが、体調が悪そうでしたので、取り止めに。
夜に家族で食事に行った時も、苦しそうで歩くのが辛そうにしていて、階段から落ちないように手を取って歩くほどフラフラしていました。
本人は「風邪だろうから大丈夫」と言っていましたが、
私は「それは狭心症の症状に似ているから、明日父に大きい病院の循環器科に連れて行ってもらって!」と言っておいたのですが、
翌日に行った病院は、かかりつけの町医者。
そこで処方してもらった薬は、風邪薬と胃薬。(素人の私でも狭心症を疑ったのに、医者が診て風邪とは!)
その夜・・・(私はその場に不在でしたが)
苦しがっていたので救急車を呼んで、救急車には何とか徒歩で乗ったものの、救急車の中で心室細動の発作が。
救急車の車内であったにも関わらず、拍動の回復が間に合わず、低酸素脳症を起こしてしまいました。
おそらく、それまでの体調不良は心室頻拍などの心室細動に移行する恐れのある不整脈か狭心症を起こしていたのだと思います。
それを治療せずに放置した結果、心室細動に移行したようです。
低酸素脳症は手遅れの状態で、植物状態になり、意識が戻らないまま4か月後、心不全を起こして亡くなりました。
参考までに、低酸素脳症とは
脳に酸素が行かなくなり脳に損傷を受けた状態です。
症状の重い軽いはありますが、重ければ寝たきりで、てんかんの症状も出ます。
程度の差はありますが、意識はあるものの体が動かせない場合や、リハビリによってある程度まで回復できる場合まで、様々です。
母はとても重い低酸素脳症となり植物状態。
時々痙攣も起こしていました。(てんかんの症状)
反応はほとんどなく、関節が固まった腕を動かした時などに痛そうな表情をする以外は、何の反応もない状態でした。
たくさん話しかけると、意識を戻す場合もあると医師から言われ、毎日見舞いに行きたくさん話しかけましたが、意識を戻す事はありませんでした。
早期発見、早期治療は重要
私は結婚して子供もいて、一緒に住んでいなかったので、倒れる時にそばに居れなかったので、とても悔しい思いをしました。
心臓の症状であると感づいていたのに、適切な治療がされずに命に関わる事になってしまった事、本当に悔やまれます。
前駆症状がみられた時は、循環器科の受診を。
そして、高血圧症や狭心症がある場合は、「普段は辛くないから」と服薬や治療を面倒臭がらずに、きちんと治療を受け、塩分制限なども守るべきです。
本人がそれで良くても、家族は悲しみます。
私は母によく「お母さんがそれで良くても、何かあったら私たち家族は悲しい思いをするから、ちゃんと薬飲んで!」って叱った事あります。
治療をしっかりとすれば、早死にする確率も下がります。
早期発見、早期治療、とても大切です。
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