虫歯の原因は、「甘い物」だけだと思われている方も多いと思います。
しかし、甘い物・おやつだけではありません。
甘いイメージではないけど、甘いものと同じ分類
①スポーツ飲料
ジュースとはちょっとイメージが違って、運動をした時の「電解質の補給」のイメージだと思います。
もちろん、一番の目的はそうです。
しかしスポーツ飲料には糖類が結構入っています。(カロリーゼロと言うものには糖分は入っていません)
「ペットボトルカリエス」なんていう言葉が存在します。(カリエス=虫歯)
どういうことかと言うと、仕事しながらの水分補給にペットボトルのスポーツ飲料や糖分の入った飲料をちょこちょこ口にする方。
広範囲に虫歯が発生することがあります。
「間食はしない、甘いものを食べない」という方なのに虫歯がたくさんあった時に、日常生活について詳しくお話を伺ったら、常にスポーツ飲料をそばに置いて、ちょこちょこ飲んでいた、という事がありました。
②炭水化物(ごはん、パン、パスタなど)
ご飯や食パン、スパゲッティなど主食になるようなものは甘くはありませんが、口の中で糖分に変化します。
ご飯やパンなどの炭水化物は、でんぷん(糖の分子がたくさん結合したもの)で出来ていて、唾液(つば)の中に含まれる「アミラーゼ」という消化酵素によって分解されて「糖」になります。
パンやご飯を口の中で噛んでいるとだんだん甘みが出てきます。
それは、でんぷんが糖に変化するからです。
これは、甘い物と同じです。
食事時間が長い
ケーキやお菓子、ジュースなどの甘いものをあまり食べない人でも、食事に時間のかかる人(1時間半とか2時間とか)は、口の中の虫歯の原因になる細菌の活動時間が長くなるため、虫歯が出来やすくなります。
人によって異なりますが、口の中には色々な細菌が定着しています。
その細菌は口に入ってきた糖分をエネルギー源にして活動し、酸を作り出します。その「酸」が虫歯を作ります。
食事や間食の間隔が短い、または口にする回数が多い
全体的に食事の量や間食の量が多くなくても、ちょこちょこ口にする方は、やはり虫歯のリスクが上がります。
口の中の状況は
「食べ物が口に入ってくる事で細菌の活動が活発になる」
↓
「細菌の作り出した酸によって、歯の表面が少し溶ける」
↓
「唾液(つば)の力で40分ほどかけて、溶けた歯の表面が修復される」
これを繰り返しますが、
口の中に物が入ってくる回数が多かったり、常に口に何かを入れている人は、「唾液による歯の表面の修復」が追い付かず、虫歯が進行していきます。(食事時間の長い人も同じ理由で共通します)
虫歯の原因は、生活習慣が大きく影響する
もちろん、甘いものをよく口にする人は虫歯のリスクが高いですが、
一日に食べる回数が少なく、時間も長くかけず、そのあとにしっかり歯磨きをする(または時間の無い時はうがいだけでも)の方は、虫歯にはなりにくいです。
実際に、幼児では虫歯がよく出来ていた子が、幼稚園や小学校へ行くようになったら虫歯が出来にくくなった、という事も少なくありません。
就園前や就学前など、家にいると、どうしても不規則になりがち。
それが学校へ行くようになったら、生活習慣が一定になるために、虫歯になりにくくなります。
子どもの虫歯リスクの落とし穴
虫歯の多い方の例
・上の子の習い事に連れて行き、飽きてしまわないように、飴やチューイングキャンディーを常に与える。
・ラムネをよく食べる
ラムネは砂糖の塊のようなもの。これを子供に持たせておくと、一袋(一パック)は大した量ではないものの、一粒一粒をちょこちょこ食べになります。
ラムネをよく食べていた子は奥歯の溝が虫歯だらけ、なんて事もよくあります。
・ながら食べ
これは「テレビを見ながら」「動画を見ながら」「漫画を読みながら」何かを食べている場合。
同じ1袋のお菓子でも、(甘みの無いスナック菓子でも炭水化物なので同じことです)ダラダラ時間をかけて食べると、口の中は常に虫歯菌が活動しちゃいます。
おやつの食べ方を決める
虫歯予防対策として
虫歯が出来てしまった子のお母さんは「もう飴は一切やめさせよう」と言う方もいますが・・・
それまで食べていたお菓子を取り上げられるのは精神的に辛くかわいそうです。
一切やめさせるのではなく、
「一日に食べる量を決める」→「一日○個まで」など
「1回に食べる量を決める」→「1回に2個まで」など
「食べ終わるための時間を決める」→「15分以内に食べられる量にする」
これだけでも虫歯のリスクはグッと減ります。
虫歯の原因は、口の中に定着している細菌の種類にもよるので(人によって違う)
そのため、口の中の元々の虫歯菌が少ない人は、
食事の摂り方などを全然気にせずに過ごしているのに、歯磨きをサボってばかりいるのに、ほとんど虫歯が出来ない人もいますが、少数派です。
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