歯科衛生士ながら、不覚にも虫歯を大きくしてしまいました。
元々寝ている間に食いしばりをしているので、奥歯の痛みはそれから来ているのだと思っていました。
もしくは、昔神経を抜いた歯が、疲れでうずいているのかと思い、「しばらくすれば落ち着くだろう」と思っていました。
ところが痛みは増す一方で。
これはもしかしたら、神経を抜いた歯が割れている?
それならば、抜歯になってしまうかも?
と色々想像し、中々歯医者に行かず。。。
気が付いたら激痛に。
その痛みの経過について説明たいと思います。
初めは「なんとなく奥歯が重い感じがする」程度。
次第に「朝起きると奥歯のどこかが痛い」→このため、睡眠時の食いしばりで痛みが出ているのかと思っていました。
そのうち、痛い時と、痛くない時の波が出るようになる。
虫歯になったのは左上の一番奥の7番目の歯でしたが
痛みがどこなのかが全く分からない。(一番奥ではない)
上の奥歯のどこか~範囲が特定できず。
痛み止めを飲むと落ち着き、日中は気にならない程度の痛みに。
更に数日が経つと食事をするときに痛みが出る時があったのですが、虫歯は左なのですが、右で噛んでいても左に痛みが出るようになる。
目立った大きな穴は開いておらず、食べると穴に詰まるわけでもなく。
痛みがピークになっていた時の痛み方は
何もしなくても痛い
頬の骨の上部の辺りが痛い
おでこの方や後頭部などの頭の方まで痛い
なぜか下の歯の前から4番目ぐらいが痛む(関連痛と言い、神経が大元でつながっているので痛みが飛ぶ)
上の歯も、一番奥ではなく奥から3番目の辺りが痛む(同じく関連痛)
熱いもの(暖かい程度のもの)を口に入れると激痛(神経に炎症が起きていると熱で痛みが出るようになります)
痛み方は、締め付けるような感じ
痛み止めが効かない
歯磨きで、下の歯を磨いているのに激痛が起こる
そして痛みが強すぎて、「脳に膿が回ってしまったのではないか?」と恐怖するほどでした。
痛みの緩和は、冷たい水が効果的でしたが、短時間で復活していました。
これは「やけど」に対して、冷やすとズキズキする感覚が緩和されるのと一緒で、炎症が起きている部分は冷やすと楽になります。
逆に、暖かい物や熱いものに触れると痛みが増します。
一般的には、虫歯の初期は「冷たいものがしみる」とか、「甘いものを食べるとしみる」などと言われますが、今回は、そのような初期兆候はあまりありませんでした。
一番気になりだしたのは「起床時の痛み」でした。
なので、虫歯だと思わずに、食いしばりによる歯周組織のダメージだと思ってしまいました。
レントゲンを撮ってみて、明らかに左上の一番奥に大きな虫歯の影が。
思わず「え~!!そこには痛みがほとんどなくて、上下の手前が痛かったのに」と言ってしまいました。
しかし、レントゲンは正直なので、その歯の治療を開始。
麻酔をすると、途端に痛みから解放。
残念ながら、神経を取る処置になりましたが、驚くほど、痛みが消えました。
教科書通りにはならない事もあるというのが、身をもって勉強になりました。
神経の炎症が強くなりすぎると、痛みの伝達が狂うのですね。
なので、
「どこが痛いのかわからない」
「虫歯と違う場所が痛む」
「痛い場所は“歯”なのに、頬骨の痛みや頭痛も感じる」
歯の神経は「三叉神経」と言って、耳の辺りに大元があり、
眼神経・上顎神経・下顎神経に分かれています。
眼神経は目の周り(頬骨上の辺りやおでこの方)に通じています。
その神経のどこかで炎症が起きて痛みを感知すると、三叉神経全体に拡散してしまうのですね。
人の全身の痛みの中でも、「歯の痛み」は一番強烈だと言われています。
その理由は、太い神経(下顎神経・上顎神経)が末端(歯)に近いからです。
太い神経に刺激を感じる体表が近いので、痛みの伝達が強いのです。
ちなみに、神経を取った歯の根の先に膿が溜まったりして痛み出すときは、拍動性の「ズキン、ズキン」とした痛みが多いようですが、これも人により、痛みの出方に差があるかも知れません。
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