結論から言うと、大丈夫な場合と大丈夫でない場合があります。
仮蓋をするのはこんな時
・虫歯を取った後、金属の詰め物をするために、削って形を整えて型取りをした後、詰め物が出来上がるまでの間にその部分を保護するために蓋をしておきます。
・歯の神経の治療中、神経の通る穴を保護するために塞いでおきます。
・金属のかぶせ物や神経のあった部分に入れる土台の型取りをしたあと、保護のために蓋をしておきます。
仮蓋はあくまでも一時的な保護が目的なので「取れるように」蓋をしています。
つまり、「取れやすい」のです。
金属の詰め物の治療のときの仮蓋
金属の詰め物の型取りをした後に詰めた仮蓋は基本的には取れても問題はありませんが、蓋が取れてしまうと「しみる」場合が多いです。
「詰め物をする治療」は神経が生きている歯での治療がほとんどなので、仮蓋が取れるとしみる事が多いのです。
しみない、または、しみても冷たい物などに気を付ければ我慢できるのであれば、次の治療の時までそのままでも問題ありませんが、削って形を整えているために、歯の一部が薄くなっている部分もあります。
なので、仮蓋が取れて、しみないからと言って硬い物をガリガリ噛んだりすると欠けてしまう事もあります。
欠けたら「歯の形を整える(形成)」→「型取り」をやり直しになります。
下手すると(欠け方によっては)、「詰め物の治療」だったのが、「かぶせ物の治療」となってしまう事もあるので、注意しなければなりません。
かぶせ物の治療の時の「土台」の型取りをした後の仮蓋
これは取れてしまっても、ほとんど問題ありません。
何故なら、神経の治療は終了して、神経に代わる材料でしっかり詰めてあるので、穴が開いてしまっていても、神経の管が細菌感染する可能性が無い事と、神経が生きていないためにしみることは無いからです。
但し、前述のように、歯に薄い部分がある場合は、硬い物を構わず噛んでいると欠ける可能性は十分にあるので注意が必要です。
かぶせ物(冠)を被せる為の型取りをした後の仮蓋(または仮歯)
これも取れてしまってもほとんど問題ありません。
おそらく一番問題ないかと思います。
奥歯であれば仮蓋や仮歯も無い状態にしておくこともあります。
それは、保護しなくても問題が起きない事がほとんどだからです。
仮蓋が無くて不具合が起きるとすれば、「歯の移動」です。
歯周病などで「歯槽骨」や「歯肉」に炎症が強いと、歯が動きやすいと言われています。
型取りからかぶせ物の装着まで、期間があまり開いてしまうと、歯が動いてしまい、かぶせ物がきつくて装着不可になる事も、稀にあります。
神経の治療中の仮蓋
これはあまり取れない方がよいです。
理由は、神経の管は、なるべく細菌の侵入をさせてく無いからです。
治療中、しっかしとしたドクターであれば、唾液の侵入をさせないように、細心の注意を払って治療します。
根っこの先が感染すると厄介です。
炎症を起こし、化膿する事もあります。
神経の治療をするようになった時の状況にもよります。
虫歯が大きくなり、すでに感染を起こして根の先が膿んでいた時などは、根の治療の時に、わざと神経の穴を塞がずに開放し、排膿(膿を出す)を促す事もありますが、それは塞がる事で膿が溜まって痛みが出る場合のみです。
通常は、神経の管には唾液を絶対に入れないように治療を進めていきます。
仮蓋がもしも取れてしまったら、急いで蓋をしたところで状況は変わりませんので、「しっかり歯磨きをし、物が詰まりっぱなしにならないようにする」事が大切です。
神経の治療中は、蓋が取れないように、患者さんも注意した方が良いです。
「注意する」とは
・硬いものをガリガリ噛まない
・治療後、すぐに食べない
神経の治療中に使われる仮蓋は、唾液の水分に反応して固まる材料を使用することが多いので(たぶんほとんどの歯科医院でそれを使用しています)、それは詰めた後、固まるまで30分~1時間程度かかるため、その間に何か食べてしまうと、ボロボロ崩れてしまいます。
一度固まってしまえば、仮蓋材料の中では一番硬いと言われている材料ですので、よっぽどの事が無ければ取れたりすることはありません。
多少ボロボロ取れてきても、完全に取れてしまう事はあまりなく、取れたように感じても、神経の穴には詰まっていたりします。
但し窩洞(虫歯によって出来た穴)が浅い場合は、完全に取れてしまう事もあります。
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