冠攣縮性狭心症はこんな病気

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病気

1年半ほど前に冠攣縮性狭心症と診断されました。

狭心症は、心臓の周りにある血管(心臓に栄養と酸素を送る血管)の血流が悪くなることで痛みが出る病気ですが、大きく分けて2種類あります。


運動や階段を登るなど、動くことで起こる「労作性狭心症」と、静かに過ごしている時に起こる冠攣縮性狭心症などの「安静時狭心症」があります。
労作性狭心症は動脈硬化など血管が狭くなることで起こる狭心症で、
安静時狭心症である冠攣縮狭心症は、血管の攣縮(痙攣)で血流が悪くなることで痛みが出ます。

診断されたのは1年半前ですが、症状は10年ほど前からありました。
しかし、それが心臓の病気だとは思わなかったので、ずっと受診していませんでした。
ストレスが多かった時に、発作の回数が増え、色々調べたら「もしかしてこれって狭心症?」と思い、近所のクリニックへ行ってみました。
私は母を心臓病(心室細動)で亡くしているので、もしかして自分も心臓病かも、と思いました。

初めはかかりつけの先生から「ストレスによる思い込みかも知れないけど、その可能性(狭心症の可能性)はあるから、一度大きな病院の循環器科で診てもらうと良い」と紹介状を書いてもらいました。
循環器科を受診したものの、検査は労作性狭心症の診断時に行うような「運動負荷心電図検査」を行いましたが、労作性狭心症ではないため、検査では無症状であった事と(普段から運動には慣れていて、運動負荷心電図での運動ぐらいでは大して息切れもしない)、普段から症状は頻繁には出ておらず、ストレスもあったことから、最初は「ストレスから、心理的に心臓病のような気がしてしまっている」と言うような事を言われ、しかし絶対に違うとは言い切れないので、「試しに症状が出た時にニトロペン(狭心症の発作を抑えるニトログリセリン製剤)を使ってみてください」と言われて処方されました。

同じ痛みが出た時に、ニトロペンを使ってみたら、びっくりするほどスッと痛みが引きました。

ニトロペンを使ってみて、症状が落ち着いた事から、狭心症の可能性は高いと判断はされたものの、症状の出る頻度が低い事から、ニトロペンを3錠だけ処方されて終了となりました。

おそらく、その時の先生は狭心症を疑うよりは、心理的なものだと思っていたのだと思います。

最初に診てもらったクリニックの先生に報告をし、そこのクリニックにも月に2回ですが循環器科の先生が来ているので、その先生に診てもらいましょうか?となり(初めからそうすればよかったのに。。。)

クリニックの循環器科の先生(大きな病院の副院長先生です!)に診てもらったところ、やはり「冠攣縮性狭心症でしょう」との事でした。
最初は心理的なものと疑われたので、ちゃんとした検査を受けたいと申し出ましたが、
冠攣縮性狭心症である事は間違いない事と、その確定診断のための検査は侵襲性の検査(体に負担がかかる)のと、入院が必要で費用も数万円かかるので、検査はしなくていいとの事でした。
冠攣縮性狭心症の確定診断のための検査は、
カテーテルを挿入(腿の付け根などから管を挿入する)して、アセチルコリンという薬を作用させ、わざと攣縮を起こさせる検査で、血圧の低下の恐れがあるためにペースメーカーの準備も必要で、非常に体への負担が大きいとの事でした。(なのでわざわざやる必要はないという事でした)

冠攣縮性狭心症の症状は、人によって出方に差があるようですが、一般的には、
寒い時に出やすくなる人もいれば、ストレスによって出る場合もあるし、一般的には喫煙や深酒によって誘発される事が多いようです。
夜中(明け方)に痛みで目が覚める事も多いようです。

私の場合は、
喫煙、深酒は一切なく、寒さでもあまり関係ないです。
昔は喫煙していましたが、4年前に禁煙をして以来一切吸っていませんので、喫煙による影響は関係なさそうです。(現在の喫煙が影響するそうです)
深酒も一切しません。(飲酒は時々軽くしますが、飲酒後に誘発されたことはありません)
夜中に痛みで目が覚めた事は今までに3回ぐらいです。
寒さではあまり出ません。
体に疲労がたまっていた時や寝不足、仕事が忙しかった時、人間関係のストレスが大きかった時に発作が起きます。
座って仕事をしている時に急に痛みに襲われる時や、仕事が一段落してホッと一息ついたときに急に痛みだす事が多いです。
運転中に出ることも何度かありました。
一度だけ、趣味の登山中に痛みが出たことがありました。(その時は何の痛みか分からず、今になり「あれは狭心症だったのか~。」という感じです)

10年ほど前に症状が良く出ていた時は、通学の時のラッシュの電車に乗っていた時が一番ひどかった。
胸の辺りを中心とした放散痛と共に、脳貧血のように視界が砂嵐のようになり耳も遠くなって、意識が飛びそうになる事が何度もありましたが、その時は心臓病だとは全く思っていなかったために受診しませんでした。

痛みの出方も人によって違いがあるようですが、私の痛みの出方は、
左胸の辺りに痛みの元がある感じだけど、
「どこが痛いのかよくわからない(痛みの中心が分からない)」
「首や奥歯の辺りに痛みが出る」
「上腕や肩の辺りに痛みが出る」
「謎の生あくびが出る」というのが多い症状です。

色々調べると、狭心症の痛みは数分から長くても10分ほどとの事ですが、私は発作が重い時はニトログリセリンが効きにくかったり、長いと30分ほど痛みが続くときもあります。
調べた記述によっては、やはり冠攣縮性狭心症の痛みは労作性狭心症に比べ、痛みの持続時間が30分ほどで長いと書かれている物もありました。
人によって症状の出方に差が大きいようです。
痛みが強烈に強い時もあり、その時は何もできなくなります。
救急車を呼ぼうかと思うほど痛い時もありますが、治まってしまうとケロッとして何事もない状態に戻ります。
その後心電図を取っても異常無しです。

発作の回数も人によって差が大きいようで、一日に数回が毎日出る人もいるようです。

治療は主にカルシウム拮抗薬(降圧剤でもあります)の内服とニトログリセリン製剤の使用です。
私は1日1回カルシウム拮抗薬であるコニール錠(ベニジピン)の服用と、
フランドルテープ(ニトログリセリンの貼り薬・毎日交換で365日貼りっぱなしです)と、
発作が起きた時はミオコールスプレー(ニトログリセリン舌下スプレー)を使用しています。
ミオコールスプレーは舌下錠のニトロペンよりも効果が出る時間が早いそうです。(痛みが強いことが多いので処方してもらいました)
使用上の注意では一度の発作での使用は「2噴霧まで」となっていますが、医師からは「3回までは大丈夫」と言っていただいています。(あくまでも私の場合なので、使用している人は医師の指示を必ず守ってください)
強い痛みの時は3回目の噴霧で治まりますが、軽い発作の時は1回で即効です。

カルシウム拮抗薬は簡単に言うと、攣縮をほどく効果があります。
ニトログリセリン製剤は、血管を広げる効果があります。

ちなみに、副作用はあります。
ニトログリセリン製剤の副作用が一番きついです。
舌下スプレー、舌下錠は使用すると頭痛が起きます。
フランドルテープは初めて貼った時は3日間ぐらいずっと頭痛がしていました。
主治医からは「頭痛がすると思うけど、何日かすると体が慣れてきて気にならなくなります」と言われていましたが、本当にその通りでした。
フランドルテープに体が慣れて頭痛がしなくなっても、ミオコールスプレーを使用すると頭痛が出ます。

カルシウム拮抗薬を服用するようになってからは、かなり発作の回数が減りました。(時々飲み忘れると軽く発作が出ます)
それでもストレスが大きい時は時々発作が出ます。

完治する事は無い病気で、労作性狭心症のように生活習慣病でもないので(喫煙や深酒で症状が出る人は別ですが)、予防と言ったらストレスをいかに軽くするかという事になってきますので、本当の予防はかなり難しいです。
ストレスのない生活を送れる人間などいませんからね。
発作をコントロールして、うまく付き合っていかないといけない病気です。

私は趣味が登山、ランニング、水泳と激しい運動が多いのですが、冠攣縮性狭心症は労作(運動)では誘発されないので、主治医からは「運動は関係ない事と、ストレスを溜めない方がいいので、普段の運動は続けていていいですよ」と言っていただいてるので、心臓病だけどめっちゃ運動しまくっています(笑)

現在ニトロペン(舌下錠)は使っていませんが、余っている物については、ランニングの時などにポーチの中に持ち歩いています。

ちなみに、私は心臓に疾患があるのに、スポーツ心臓の傾向があります。
安静時に脈拍が40台前半ぐらいになります。
主治医に聞いたら「それはスポーツ心だね」と言われました。
トップアスリートほどの30台までにはならないものの、その傾向はあるみたいです。

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